異種金属接触腐食、電食
2023年11月14日

「電食」と呼ばれている「サビ」をご存知でしょうか?まずは、Wikipediaの解説ページの写真を御覧ください。

Wikipedia

実はこのサビを「電食」と呼ぶことは間違いだそうで、「異種金属接触腐食」が正しい名称だそうです。この腐食は、例えば「鉄とステンレス」や「アルミとステンレス」が接触している所で発生します。

皆さんはこんな経験ありませんか?

屋外用途なのに鉄ネジが使われていて、やがて鉄ネジの頭が錆びてしまい、外そうとした時に固着していたり、頭をナメてしまったり折れてしまったり、散々な目にあった事がある人は多いと思います。

そこで「ステンレスなら錆びない」と考えて、安易にステンレス製ネジを使ったりすると、この「異種金属接触腐食」が発生します。この腐食は通常のサビよりも急速に進行し、しかも代わりを用意し易い「ネジ」の方では無く、代わりの入手が困難な「固定したいモノ」の方が錆びてしまいます。これは大ダメージです。

この「異種金属接触腐食」の仕組みが、ステンレス協会のWebページで易しく解説されています。

ステンレス協会

高校の化学の授業で習った「イオン化傾向」の暗記用の語呂合わせ、「貸そうかな、まあ当てにすな。ひどすぎる借金」なんて懐かしいですね。

K・Ca・Na・Mg・Al・Zn・Fe・Ni・Sn・Pb・H・Cu・Hg・Ag・Pt・Au

ステンレス協会の解説によると、ステンレスは銅と同じ程度のイオン化傾向だそうです。という事は、ステンレス(銅の位置)から見て、アルミは鉄よりも離れていますから、アルミは鉄よりも更に「異種金属接触腐食」し易い事がわかります。軽いアルミに、錆びないステンレス、どちらも優れた特性ですが、「まぜるな危険」です。


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