耐振措置・基礎への伝達荷重2
施行接着系アンカーボルトの許容引抜荷重
a)堅固な基礎(設置場所)
下記の計算式にて、ボルトの短期許容引抜荷重を求める。 ただし、ボルトのせん断応力が4.4kN/cm2(SS400の場合)を超える場合にはボルト強度検討を行い、更にボルトの許容引張応力を超えないことを確認する。
(3.16)
ここに、
Ta:アンカーボルトの短期許容引抜荷重 (kN)
L:アンカーボルトの埋込長さ(cm)
d2:コンクリートの穿孔径(cm)
Fc:コンクリートの設計基準強度(kN/cm2)
尚、基礎の隅角部、辺部に打設されたアンカーボルトについては、上記(3.16)式の計算結果と下記(3.16-1)式又は、(3.16-2)式のいずれかにて計算した結果とを比較し。
小さい方の値を短期許容引抜荷重とする。
1) L≦C+hの場合
Ta=6πC2・p
(3.16-1)
2) L>C+hの場合
Ta=6π(L-h)2・p
(3.16-2)
ここに、C:アンカーボルトの中心より基礎辺部までの距離(cm)
p:コンクリートの設計基準強度による補正係数
とする。
- 【注意】
- 1. L≧6dとすることが望ましい。(d:アンカーボルトの呼称径)
- 2. コンクリートの設計基準強度Fcが3.0kN/cm2(30N/mm2)を採用する。
- 3. コンクリートの穿孔径d2は接着系アンカーボルトメーカーの推奨値を採用する。
- 4. 第一種、第二種軽量コンクリートが使用される場合は一割程度裕度ある選定を行うこと。
b)一般的な床スラブ上面(設置場所)
短期許容引抜荷重 (kN) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
ボルト径 d(呼称) |
コンクリート厚さ (mm) | 埋込長さ L(mm) |
穿孔径 d2 (mm) |
|||
120 | 150 | 180 | 200 | |||
M10 | 7.60 | 7.60 | 7.60 | 7.60 | 80 | 13.5 |
M12 | 9.20 | 9.20 | 9.20 | 9.20 | 90 | 14.5 |
M16 | - | 12.0 | 12.0 | 12.0 | 110 | 20 |
M20 | - | - | 12.0 | 12.0 | 120 | 24 |
ボルトの埋込長さ (L)の限度 (mm) |
100 | 130 | 160 | 180 | - | - |
- 【注意】
- 1. 上図において、上表の埋込長さ及び穿孔径の接着系アンカーボルトが埋込まれたときの短期許容引抜荷重である。
- 2. コンクリートの設計基準強度Fcは、1.8kN/cm2(18N/mm2)としている。
- 3. 各寸法が上図とことなる時或いはコンクリートの設計基準強度が異なる時など、左記堅固な基礎の計算によるものとする。
- 但し、床スラブ上面に設けられるアンカーボルトは一本当たり、12.0kNを越す引抜荷重は負荷できないものとする。
- 4. L≧6dとすることが望ましく、上表の一印部分は、使用しないことが望ましい。
- 5. 第一種、第二種軽量コンクリートが使用される場合、一割程度裕度がある選定を行うこと。
c)一般的な天井スラブ下面、コンクリート壁面(設置場所)
長期許容引抜荷重(kN) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
ボルト径 d(呼称) |
コンクリート厚さ (mm) | 埋込長さ L(mm) |
穿孔径 d2 (mm) |
|||
120 | 150 | 180 | 200 | |||
M10 | 5.00 | 5.00 | 5.00 | 5.00 | 80 | 13.5 |
M12 | 6.10 | 6.10 | 6.10 | 6.10 | 90 | 14.5 |
M16 | - | 8.00 | 8.00 | 8.00 | 110 | 20 |
M20 | - | - | 8.00 | 8.00 | 120 | 24 |
ボルトの埋込長さ (L)の限度 (mm) |
100 | 130 | 160 | 180 | - | - |
- 【注意】
- 1. 上図において、上表の埋込長さ及び穿孔径の接着系アンカーボルトが埋込まれたときの長期許容引抜荷重である。
- 2. コンクリートの設計基準強度Fcは、1.8kN/cm2(18N/mm2)としている。
- 3. 各寸法が上図とことなる時或いはコンクリートの設計基準強度が異なる時など、左記堅固な基礎の計算により行い、その計算結果の値を1.5で除したものを許容引抜荷重とする。
- 但し、床スラブ下面、コンクリート壁面に設けられるアンカーボルトは、一本当たり、8.0kNを越す引抜荷重は負担できないものとする。
- 4. L≧6dとすることが望ましく、上表の一印部分は、 使用しないことが望ましい。
- 5. 一般的な天井スラブ下面、コンクリート壁面に視点をとった重量物は、地震による短期引抜荷重も検討する必要がある。
- この短期引抜荷重に対しては、b)項短期許容引抜荷重についても検討すること。
- 6. 第一種、第二種軽量コンクリートが使用される場合、一割程度裕度がある選定を行うこと。